下書き
これは2020年に書きかけた下書きを、2026年の私が完成させた文章だ。
当時、あるニュースを見ていて思った。
人は勝手なもので、夢を見せてくれた人には、ずっと夢のままでいてほしいと思ってしまう。
だから私は昔から、何十年も経ってから語られる裏話が少し苦手だ。
「あの時は仲が悪かった」
「実はそうじゃなかった」
そんな話を聞いても、当時のパフォーマンスが変わるわけではない。
でも一度知ってしまうと、そのイメージだけは残ってしまう。
知らなくてもよかったこともあるんじゃないか。
そんなことを思う。
2026年になった今も、その気持ちはあまり変わらない。
もちろん裏話にも価値はある。
でも世の中には、表に出していい話と、墓場まで持っていく話がある。
私はそう思う。
そして、そんなことを考えているうちに、なぜか別のことを思い出した。
誰かが作った「枠」のことだ。
誰かが作った枠の中で生きること。
そこには安心がある。
居場所もある。
評価の基準もある。
でも時々、その枠が窮屈になる人もいる。
どれだけ頑張っても、評価されるのは仕組みを作った人。
自分が動いているはずなのに、どこかで違和感を感じる。
私はアイドルではない。
ずっと裏方だった。
でも似たような感覚はあった。
人生そのものが仕事だった。
休日も仕事。
生活も仕事。
すべてが仕事基準。
それが当たり前だった。
そしてある時、
「その枠の外に出てみないか」
という言葉に出会った。
その瞬間、自分の中で何かが組み合わさった。
カチャカチャカチャ……
チン!!!
本当にそんな感じだった。
ああ、そういう選択肢もあるのか。
と。
それで私は、人生そのものだった場所を離れた。
もちろん怖かった。
保証なんてない。
正解だったのかもわからない。
でも不思議と後悔はなかった。
あの時の私は、枠の中で生きることより、枠の外を見てみたかったんだと思う。
今でも正解かはわからない。
でも、
カチャカチャカチャ……
チン!!!
あの瞬間だけは本物だった。
だから今も、あの日の自分に感謝している。
CDを買った。解説とか歌詞カードみたくて。